善遊善学堂@神田神保町

蔵書管理帳・備忘録など

子どもの心の育てかた(河出書房新社)

佐々木正美『子どもの心の育てかた』

河出書房新社、2016年

 

目次

 

はじめに

 

教育も建築物も、一番大切なのは土台です。

そして、一番やり直しがしにくい部分です。

 

トイレトレーニングなどは、叱りすぎも、ほめすぎも、

どちらも子どもの自律を妨げることにつながります。

 

「叱られてもすぐに忘れる」

「失敗しても同じことを繰り返す」

これは、幼児期の子どもの大きな長所です。

 

子どもの反抗は、喜ぶべきものです。

「だって」が始まったら、「やっと来たか」と、

その後の成長を楽しみにしながら接しましょう。

 

「なんでもひとりでできるようになること」が

自立ではありません。他人との調和のなかで

主体性を発揮して暮らしていくことが本当の自律です。

 

子どもがのぞむことをみな与えるのが過保護、

親がのぞむものだけを与えるのが過干渉。

 

金銭で物を買い与えるより、手塩にかけて育ててください。

手をかけすぎて子どもがダメになるなどということは、

けっしてありません。

 

さいころ「将来の夢」は荒唐無稽でもかまいません。

自己肯定感をもった子はやがて

現実的な夢を着実に実現していきます。

 

競争心、協調性、このふたつを健全に育てるには、

たくさん友だちを家によび、

友だちの家にもたくさん遊びに行くことです。

 

「ひとりで何かに取り組むこと」は

勤勉であることとは違います。

勤勉さとは、仲間のなかで何かの役割を

果たそうと努める姿勢です。

 

長所をできるだけたくさん指摘してあげてください。

短所や欠点はそのあとから

ほんのちょっぴりだけでいいのです。

 

分業意識は、価値の軽重を知ることから、

心に差別意識を生み出します。

これは人間の業でもあり、悲しいことですが、

避けがたい本性でもあります。

 

(上記は目次ではあるが、本書の要旨をそのまま示すことになりそうなので〔以下中略〕とする)

 

 

(南書庫・2階)